もう東京に来て半月がたちました。
 一昨日は初めて暇な一日だったので、鎌倉に行ってみました。色々古寺を巡って鎌倉建築の特徴を確認しようと突如思ったのです。
 朝早く行こうと考えていたのですが、案の定前日深夜まで見たの世界陸上中継の所為で大幅に寝坊してしまいました。
 とりあえず鎌倉駅に降り立ち、まず地図を入手しようと観光案内所に行きました。ヨーロッパ旅行の基本はインフォメーションで地図をもらうことです。ところがそこでは無料の地図はないというのでした。案内書とセットで400円とのこと。やむなく入手しました。でも地図はイラスト的だし、案内書といっても10ページぐらいのパンフレットのようなもので、ちっとも役に立つ情報はありませんでした。書店でガイドブックを買ったほうがよっぽどいいと思います。
 鎌倉は何度か訪れていて、北鎌倉周辺のお寺はほとんど行ったこともあるので、とりあえず鶴岡八幡宮に行ってそこを起点に回ろうと考えました。一応財布の小銭整理をかねてお参りしたところで、あまりの暑さにひとまずどこかで休むことにしました。お昼を大分まわっていてお腹も空いたし。
 境内を出て蕎麦屋に入り冷たい生ビールをプハーッとやりつつ、冷えたトロロ蕎麦をすすりました。
 地図を見ながら行動計画を立ててみました。鎌倉駅より南側、鶴岡八幡宮と反対方向に面白そうなお寺が密集しているようです。同じ道を戻るのも芸がないなとよく見てみると、祇園山ハイキングコースというのが目につきました。大きく迂回しますが、所用時間約30分で駅方面に戻れるようです。よし、そこを行ってみよう。
 さて、蝉時雨が降り注ぐ町外れから山の中へ分け入ります。誰もいません。急な登りがしばらく続くと「北条高時切腹やぐら」という祠のようなものが道から奥まったところにある洞窟に祭られています。あたりは鬱蒼とした木々の所為で薄暗く、いつ亡霊が出てきてもおかしくない雰囲気でした。桑原桑原とつぶやきながらどんどん山道を進んでいきます。汗がだらだら流れ息遣いも荒くなってきました。
 シーズンオフなのか観光客の姿は見えず、蝉の必死の鳴き声をこの山で聞くのは僕一人しかいないようだ。北海道の山と違ってなんだか湿気でじめじめしている。日陰蝶やカラスアゲハがひらひらと舞い、ちょっと立ち止まると蚊が集まってくる。足元からバッタが跳ねたと思ってよく見ると蛙だ。
 手負いの鎌倉武士が出てきそうな陰湿な山からようやく出ると、神社の境内だった。玉砂利に午後の眩しい日差しがかっと照り付けている。夢から覚めたような気分でした。
 かなり疲れたので、コンビニで水分を取った後、まず苔寺として有名らしい妙法寺に行ってみました。まだ見たことがないのです。ところが門は硬く閉ざされておりました。今日の拝観は終わったようです。え?と時計を見ると既に5時半、蕎麦屋のビールと祇園山に時間を取られたようです。
 結局一つもお寺を見られず帰ってきました。でも今までより鎌倉時代と「交流」できたような気がします。