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今日はいよいよ本州ラストランだ。
台風が不気味な動きで北上の機会をうかがっている。でも今日は何とか曇りで持ちそうだ。

チェックアウト。あのばあさん,今朝は非番のようだ。ご飯は食べなかったので,そこはよく分からないが,まあまあの旅館だった。安いし駐車料も取られなかったしね。

旅館の車庫からバイクを出し、一日ぶりにまたがる。身体に感覚が戻る。
今日は敦賀でフェリーに乗る。でも,夜の出航までたっぷり時間があるから,どこかに寄ってもいいな。
そういえば,旅の間メールに付き合ってくれた友達から,白川郷や五箇山がすごく良かったよ,という話がいくつか来ていた。もっと早く言ってくれれば,富山から行ったのに,と思った。でも待てよ。地図を見てみる。お,金沢からでも何とか行けるかも知れない。よし行って見っか。

最短ルートの県道10号を順調に進んでいく。すると次第に高度が上がって山道となり,寒くなって来た。そしてついに雨が。結構本降りになる。
しかも,あああ舗装が切れて,荒れたダートになったじゃないか。ダートといっても生やさしいものではなく、でかい石がごろごろしていたり、ぬかるんでいたり、オンロードバイクでは到底無理だ。何処まで続いているかも分からない。10メートルほど行って怖くなり,必死にUターンした。ダメだダメだ。

一旦金沢へ引き返す。平地に降りると雨は降っていない。
諦めきれず、第2ルートの27号を進んでみる。しばらくいい感じで舗装道が続く。移転した金沢大学の横を通る道だ。
しかし、こちらのルートも暗雲が立ちこめ雨が降りだした。そして「1キロ先で全面通行止め」の看板が。ああ。
甘く見て雨装備を固めていなかったため、グラブは濡れ、ジャケットの隙間からも雨がしみこんできて寒い。

もう1ルート、一番遠回りで安全なのが残っていたが、もう気持ちまでずぶ濡れになってすっかり戦意喪失。
合掌造りは今度の楽しみにしろと言うことだろう。結局2時間のロスで、もう10時過ぎになってしまった。

曇り空の下,ひとまず敦賀方向へ向かうことにした。
途中の看板で東尋坊という案内を見つけた。名前だけは聞いたことがあるが、どんな名所なのか全く知らない。寄ってみっか。
案内に従って坂道を上がって行くと,海岸沿いの高台に着いた。観光地特有の店屋が軒を連ね,自分の駐車場に引き入れようと客引きしている。そこをすり抜けて目立たぬ一角にバイクを停め、海岸に出てみる。

ここは安山岩の柱状節理が岸壁となって荒海に連なり、独特の景観を形成している場所だった。
まあ北海道沿岸を見慣れた目にはあまり驚くようなものではない。むしろ敦賀湾全体のおだやかな景観の方に心惹かれた。
強風の中,他の観光客に混じって景色を眺め,写真を撮る。今日の観光終わり。



福井を通過するので,一応福井駅もチェックしていく。県庁所在地の駅を闊歩すると,何となくその県を制覇した気分になれる。
めでたく福井県をも支配下に置き,ひた走って海岸に出ると,海に薄日が差している。しみじみする。



敦賀に近づくにつれ、小雨が混じり出してきた。次第に雨脚が強くなってきたので,ホームセンターで買ったカッパズボンをはき、大活躍のスキー手袋をはめ,完全防備。今度は大丈夫だ。

もう雨の中動き回るのも面倒なので,出航までフェリーターミナルで待機していることにした。
ひとまず港のはずれにあるターミナルの場所に行ってみる。立派な建物だ。まだ職員もいないようなので,敦賀の街に買い出しに行く。

駅方面の中心街はアーケードが連なり,どこにでもある地方都市のそれだが、面白い特徴があった。
それは路側帯が延々と駐車可となっていることだ。一応1時間とか2時間とか時間制になっているけれど、パーキングメーターがあるわけでもなく、場所によっては、進行方向と直角に車が停められている。だから、まるでヨーロッパの町並みのようだ。
これは道路機能の使い方としては正しい。実際ぼくも好きな場所でバイクを止めて、買い物を済ませることができた。
地方都市などでは,道路という財産の有効活用となるこの方法,もっと普及させてもいいと思う。
駅前のスーパーで,今晩と明日丸一日分の食料を買う。

ターミナルに戻ると夜7時だ。まだまだ時間があるので、パソコンを出してメモなどを書きながら時間を潰す。



ようやく着岸した長距離フェリーは,青函フェリーに比べるとさすがに大きくて,岸壁から車両の格納庫までの鉄板通路は相当の勾配となっていた。それが雨で濡れているので1台ずつ慎重に上っていく。一気に滑りそうで,かなりビビル。
この船では,バイクの置場に網棚があり,ヘルメットや船内に持ち込まない荷物などが置けるようになっている。便利だ。



実はちょっと贅沢して,この船では2等ではなく2等寝台にした。ホテルのフロントのような受付で場所を指定される。2等寝台とは,要は2段ベッドが並ぶ部屋だ。ぼくは下の段だった。客が少ないせいか上段には誰もいない。

座るとぼくの座高ではちょっと頭がつかえる。でも,カーテンを閉めるとプライバシーが保たれて快適だ。
チェックポイントはコンセントがあること。だから携帯の充電,パソコン連続使用もOK。インターネットで事前にこの情報を見たからこそ,多少高くても2等寝台にしたんだ。だって明日一日中船の中だし。



船内を一通り探検した後,メールを打ちながらワインを飲む。寝台に横たわるとやはり2等の固い床とは随分違う寝心地だ。
脳裏に日本地図を思い浮かべ,今回のツーリングの経路をなぞるうち眠ってしまった。

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