ネオテニー・ジャパン
先日、ネオテニー・ジャパン 高橋コレクション展に行ってきた。
高橋さんという精神科医の方のコレクションで、現代日本アートの最先端を集めているという。
美術館がある芸術の森の木々や草むらに静かに雨が降り注いでいる。
展示場に入ると、いきなりミッキーマウス様の村上隆のバルーンが迎えてくれる。次々に「今」をときめく作家たちの個性豊かな作品が立ち現れては、びっくりしたり、微笑んだり、考えさせられたり。
単一の作家展でもなく、統一したテーマがあるわけではないから、それぞれの作家毎のイメージの羅列になる。
特に印象が強烈なのは、やはり奈良美智の少女の絵の圧倒的な目線だった。
他には小谷元彦の作品が印象に残った。特別な才能を感じた。
他にも池田光弘とか、青山悟、池田学など自分好みの作家を発見できた。
印象は当然ばらばらで、それこそ個性ではある。
しかし、何とはなしに全体を覆っている雰囲気があるような気がした。当然高橋さんの好み、センスというものはあるだろう。いい眼を持っているんだなと思った。
それと共に、ぼくは今という時代のムードみたいなものを感じた。
音楽で言えば、機能和声の糜爛から12音音楽へ崩壊し、砂漠にガラスを撒いたような音響的現代音楽。美術でも無機質なカタチや色を組み合わせ、意味を問いかけるという厳しさ。そんな時代が長く続いて、飽き飽きした果ての、情緒への回帰。
同じ現代の空気を呼吸していることの安心感、あるいは不安感のようなものを、皮膚感覚として観覧中チリチリと感じた。
具象性、人間回帰、ネオロマンというか、分かりやすい体裁、ロマンチックな抽象、その上での思想性。論理よりは情緒。政治性よりも宗教性。優しい時代。脆弱賛歌。
いくらでもキーワードが溢れてくる。
そこに共感する自分を見いだして、若い人たちと歴史を共有している嬉しさも感じた。
美術館を出ると、冬の一歩前の光景。葉の落ちた梢に、宿り木があからさまだった。
Tags: 美術展


12月 20th, 2008 at 6:11 PM
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