アモーレアモイ 7 平渓線

9月25日

_IGP3876_edited-2

泊まった宿では朝食代わりに近所のマックの無料券をくれる
コーヒーとソーセージマフィンを抱えて早朝の台北駅に向かう

台湾はもう4回目だ
最初は旅友Nさんと高雄から台北そして九分にも行った
台風の直撃に遭って予定が大幅に狂ったけどそれもまた面白かった
次にNさんと行った二度目は印象的だった
阿里山をメインにして台中や嘉義そして鹿港などマイナーな街を訪問した
もちろん台北も押さえた
梅酒を飲みながら拝んだ新高山のご来光が脳裏に焼きついている
あとは家族旅行でも台北を満喫した
そんなことでもう台北の有名スポットはだいたい経験済みだ

_IGP3879_edited-1

そこで今回思いついたのは十分だ
九分(分は人偏がつく)はとても有名で僕も訪れたが十分の方はあまり知られていない
線路の際まで店が張り出していたり夜空に上げるランタンだったりTVなどで見たそんな絵が記憶にあったのだ
確か大好きな侯孝賢の映画のロケ地にもなってたはずだ

十分は台北郊外の平渓線というローカル線の駅だ
せっかく今日一日あるので一日周遊券でのんびり散策しようという心づもり

まず平罫線の始点がある国鉄瑞芳駅に向かう
朝早い自強号は空いている
マフィンで腹ごしらえするうち小一時間で瑞芳駅に到着

_IGP3885_edited-1 _IGP3891_edited-1

_IGP3895_edited-1ところで僕らの旅の定番ガイドブックは「歩き方」だが流石に4回目となると新たに買うのは躊躇われたというかもう飽きた
そこで今回はムック型の「るるぶ」にしてみた
この手のは雑貨とかエステなど旅女子向け情報満載で目がチカチカして普段は選択しない
しかしこの本で驚いたのは全ての誌面がスマホにダウンロードできるのだ
ネットがなくても見られるので本は自宅に置いてきていいのだ
時代はどんどん進んでるね
しかも平渓線特集の付録がついていた
もちろんスマホで見られる

その情報ではここのホームで一日周遊券を販売しているという
第二月台にあるという
月台というのはプラットフォームのことだが何かロマンチックでいいね
しかし探したが見当たらない
それらしきローカル列車は停まっている
近くにいた駅員に聞いてみた
周遊券は平渓線終点の菁桐駅で売っているという
(もしかしたら朝早かったからかもしれないので各自情報をチェックすること)
じゃあそこまで行くと言うとじゃあ乗れと言われ停車中の列車に誘導された
平渓線の車掌さんだったらしい

_IGP3907_edited-1 _IGP3905_edited-1

二両連結の車内はガラガラで少人数の団体客が一組のみ
興奮気味にはしゃいでいる
車窓をワクワク楽しみながら終点までの旅を楽しむ
山あり渓谷ありトンネルあり
各駅ごとに様々な表情がある

終点菁桐駅で降り改札で周遊券を買いたいと言うと怪訝な顔をされる
ここまでタダ乗りになるからかな
すると先ほどの車掌さんが走ってきて改札の駅員に説明している
話が通じたようで一日周遊券80元(当時1元4円)320円を購入
親切な車掌さんに感謝だ

_IGP3910_edited-1 _IGP3935_edited-1

駅舎は1929年建造の古い木造だ
観光客もぽつぽつといるだけで菁桐老街もまだ開店前のところが多い
老街とは、清朝或いは日本統治時代に造られた街並みのこと
それがまたシンとした風情になっている
昼間は結構混むみたいなので朝はお勧めだ

竹を半分に割ったものに願い事を書いて吊るす絵馬のような習慣があるようだ
専用の棚や周辺の木の枝にも沢山ぶら下がっている
健康を願ったりダイエット成就や恋愛関係など漢字で書いてあるものは読み取れる
微笑ましい気持ちで周辺を散策する

駅舎の隣は鉄道故事館という鉄道グッヅのお土産やだ
鉄道愛好家の方は喜ぶんだろうな

_IGP3936_edited-1

_IGP3940_edited-1 _IGP3947 _IGP3958_edited-1 _IGP3967_edited-1 _IGP3971_edited-1 _IGP3978

すこし歩くと太子賓館へという矢印表示があった
先を見るとわき道から橋を渡ってその奥のようだ
行ってみる
橋からは美しい風景が朝日に包まれているのが見渡せる
日本人集落だったようだ
突き当たりに北海道民宿という看板が見えた
塀に囲まれてよく見えないが歴史的な家屋のようだ
でもなぜ北海道
さらに進むと皇宮茶房という建物がある
これも昔の家屋で茶菓も提供するようだが今は閉まっている
なかなか太子賓館が分からないので引き返す
菁桐周辺は他にも見所が沢山あるようだ

_IGP3992_edited-1 _IGP3996_edited-1 _IGP4000 _IGP4003_edited-1 _IGP4006_edited-1 _IGP4007_edited-1 _IGP4012_edited-1 _IGP4014 _IGP4016

老街に戻ってガイドブックをみると隣の平渓駅までは歩いていけると書いてあった
散歩がてら行ってみよう

老街を抜けると菁桐鉱業生活館があった
入場無料
中に入るとかつての炭鉱の歴史パネルや実際に使用された採掘道具などが展示されている
平渓線自体がかつての炭鉱鉄道であり先ほど行きそびれた太子賓館も「石底倶楽部」という社交場だった
一通り勉強して二階に上がると子供の絵画が展示されていた
色使いや構成にやはり日本との違いを感じる

_IGP4042

_IGP4036_IGP4040 _IGP4041 _IGP4035

人っ子一人いない車もめったに通らない道をテクテク歩いていく
いい天気だ
途中線路の向こうの崖に道があり公園への案内板があったので登ってみる
やっぱり高いところが好きなのかな
道も崖上の立派な公園施設も荒れ放題だった
それも廃墟感があってよろしい

_IGP4044 _IGP4064 のコピー _IGP4049 _IGP4052 _IGP4054 _IGP4059 _IGP4061

またテクテク歩く
1時間に1本の平渓線の車両が向こうからやってきて暫くすると後ろから追い抜いていく
小鳥がピーチクパーチク鳴いている
異国台湾の日差しがまぶしい
山深いこの風景の中で僕はただ一人だ
いったい何をしているのだろうね
テクテクテク

_IGP4065 _IGP4068 _IGP4071 _IGP4076 _IGP4083 _IGP4092 _IGP4095 _IGP4097

ポツポツ民家が見えてきた
そして平渓駅に着いた
いかにもローカルな駅だ
一休みして
周辺散歩に繰り出す

_IGP4101 _IGP4104_IGP4112

平渓老街を歩いて新市街に抜けランタンのモニュメントを見にいく
ランタンは十分駅が有名だが平渓線一帯でやってるんだね
汗をかきかき駅に戻る途中タピオカミルクティーの幟が見えた
早速店のオバちゃんに作ってもらう
チャチャっと手際よく材料を入れ機械のラッピングで蓋をしてくれる

_IGP4120 _IGP4133 _IGP4134 _IGP4152

老街をそぞろ歩き線路に戻ると家族連れがランタンを上げるところだった
願い事を書いて火をつけ合図で手を離すとどんどん上昇し青空の彼方へ消えていく
いかにも想いが天に届きそうなセレモニーだ

_IGP4144 _IGP4148 _IGP4159

ただ火が消えるとランタンは当然落ちていくわけで車窓からその残骸がいくつも見えた
だからランタンを上げる場所は平渓線沿線の一部のエリアに限定という看板も見た

駅の中で冷たいタピオカミルクティーを啜って一休みする
やがて列車が来た
今度は十分駅に向かう

_IGP4161 _IGP4171

もう昼時だ
車内は既にかなり混雑している
十分駅は大変な賑わいだった
線路の際までお土産屋やランタンの店が並ぶ
まさに線路上で大勢の人がランタンを上げたり写真を撮ったりしている

_IGP4178 _IGP4181

後でまた来ることにして周辺を散歩する
まず駅のすぐそばにある吊橋に行く
由緒ありげなゲートを潜ると川の対岸まで長い板張りが続く
皆ちょっと揺らしながらキャッキャいって写真を撮っている
すぐ引き返す

_IGP4205 _IGP4208

次は十分瀑布に行く
30分は歩くという
案内に従って強い日差しの下アスファルト道路を歩いていくと
案内センターのような建物があった
そこから渓流沿いの遊歩道があるらしいが今は閉鎖中
仕方なくまた照り返しの強い道路を歩いていくとようやく現地らしき看板があった
渓流方面への道を分け入っていくと次第に滝の音が聞こえついに滝の姿が垣間見えた
何箇所かビューポイントとして整備されたテラスがあった
そこでは地元団体客と思われるオバちゃんたちがポーズをつけて写真を撮ってはガハハと大笑いしている
これはどの国のオバちゃんも同じだな

_IGP4241 _IGP4246

滝の間近までの道を探したが見つからなかった
どうやらこのエリア全体的に整備中のようだ
売店があったので行ってみるとそこのテラスから滝の上が見えた
やはりここも工事途中のような雰囲気だ

台湾のナイアガラと言われる十分瀑布は思ったとおり小規模なものだった
実際に北米のナイアガラ瀑布を見たことがある僕としては微苦笑してしまう
でもこの暑さの中緑に覆われた渓谷の道を辿って滝の姿を見ると心が洗われるように感じた
姿も凛として美しい

_IGP4251 _IGP4256 _IGP4262

満足して戻ろうとしたら川沿いに遊歩道が続いている
通り抜けられるのかな
進んでいくと公園になっていて動物の彫刻などが配置されている
歩き詰めだったので日本では廃止された4人乗りブランコで休む
ギーコギーコ漕ぎながら行き交う観光客をしばし眺める

_IGP4273 _IGP4277道は先ほどの観光センターの辺りで出られた
何だ結構繋がってたのか
「鳴」一字の標識に差し掛かったら頭上から鳥の鳴き声が
そういうこと?

_IGP4282_IGP4292 _IGP4301 _IGP4302

駅に戻ってランタン飛ばしを見学する
店でランタンを買いそこに筆で願い事を書く
専属の人が書いた人に持たせて線路上で火をつける
膨らんだら飛ばし空に消えるまでを記念写真に収める
そんなシステムだ
何軒もランタン屋さんが並んで客引き合戦を行っている

中国系の人は一族繁栄とか財運関係の願い事欧米系の人は家族の幸せみたいな事
一方何組かいた日本人は結婚とかお金がほしいとかきわめて現実的笑
願い事によって色が決まっている
赤-健康運 黄-金運 藍-事業運 紫-学業運 白ー明光運 橙-愛情運 緑-順調運 桜-幸福運 桃-人気
一人でやるのも何か恥ずかしいので見学だけで許してやった

_IGP4185

_IGP4345 _IGP4368

_IGP4309

その賑わいの中警笛が鳴った
一斉に線路から撤収する人々
1持間に一本の列車が通るのだ
通過後すぐに何事もなかったように元の位置に戻ってワイワイととランタン上げにいそしむ

_IGP4202 _IGP4188

どうも韓国の人が多いようだ
僕がお土産にランタンのミニチュアを買った店も韓国大歓迎というかすでに韓国資本の店のようだった
ある店の取材メディアの一覧が書かれた看板を見るとKBSなどに随分紹介されているようだ
人気の観光地なのだろう

_IGP4332

さて小腹がすいた
見渡すと行列ができている店があった
雛皮にチャーハンをつめて焼いたものが名物らしい
美味しそう
早速並んでゲットした
お次は沿線を歩いてキョロキョロ物色する
あったー
冷蔵ケースに各種ビールが並んでいる
店番のお婆さんに指差してチョーダイと言う
婆さんニヤリとして僕の袖をたたき「ヤルネーアンタ」みたいな表情で売ってくれた

_IGP4324 _IGP4325 _IGP4327

折角なので線路の上で食べた
しかし座り心地が悪いので脇の石に腰を落ち着け賞味する
雛皮飯は香ばしくて腹持ちもよく冷えたビールにトコトン合う
善男善女がはしゃぐ姿を微笑ましく眺めながらビールを飲み干しゆっくりと立ち上がった

_IGP4337 _IGP4307

もう陽も傾いてきた
これで平渓線の旅も終えよう
そんなことを思って満員の列車に揺られている時ふと思い出したことがある

つづく

Copy of 20150925_195517

台北駅のポスター 平渓線と江ノ電は提携していて周遊券が相互に使えるらしい

_IGP4357

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.