不運じゃなかった!
仕事が終わり、地下鉄駅にとぼとぼと降りていく。
東西線大通駅は島式のホームで、新さっぽろ行きと宮の沢行きが乗り入れる。
我が家の最寄り駅は新さっぽろ駅。終点だ。
その日は残業も飲み会もなかった。
いつものように心の内側にいがらっぽさと安堵感を抱えながら
ホームへの階段を足を引きずって降りていく。
キュンキュンキュンと札幌の地下鉄独特の、ゴムタイヤとガイドレールが軋む音が聞こえてくる。
どっち行きだ?乗り遅れないように足を早める。
ホームに滑り込む電車。一斉に人混みがざわめく。
(畜生。また宮の沢行きか。)
このところ、いつも反対方向の列車が先に来るのが気になっていた。
もしかして、俺ってツキがないのか。
そんな人生か。
と、ふと思うときもあった。
そんなことは信じてないし、ばからしい。
と思いながら、新聞の占いを読んでしまう。
弱っているのかな。
ホームで、くたびれた男女と同胞意識を感じながらぼんやり立っていて、
(あっ)と、ある考えに思い当たった。
列を離れて時刻表を見に行く。
やっぱりそうか。
5時、6時台は双方向とも5分間隔で運行している。
新さっぽろ行きは5分、10分、15分・・・発
宮の沢行きは4分、9分、14分・・・発
無意識のうちに両方の電車が来る確率が同じと思っていたけれど、
ランダムに大通り駅に着いたら、新さっぽろ行きが来る確率は5分の1にしかならないんだ。
5回に1回か。
それなら納得。
特別不運じゃなかったんだ。
それに気が付く僕って、ジーニアス?
単純に明るくなって、僕は地下鉄に飛び乗った。
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