第9地区

 

第9地区 [DVD]
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ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-11-23)
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とんでもない映画だ!
それが観終わっての第一印象だ。

巨大円盤で到来したエイリアンが、ただの難民となって20年。
エビに似たエイリアンはどんどん増加し、難民キャンプの第9地区はスラム化している。
そこではエビのパワーを取り込みたいナイジェリア・ギャングが暗躍している。
主人公は第10地区への移住計画を指揮するが、ある液体に感染したことから物語はハイスピードで動いていく。

ブレードランナーの類のSF映画かなと思って見始めた。
舞台は南アのヨハネスブルク、ということでアパルトヘイト時代のアナロジーかとすぐ思いつく。
白人たちの統治組織。
支配されるエビたちの一部は高い知能ををもつが、大部分は無気力。
そしてギャングのオカルティズムが絡む。
支配者側の主人公とエビのインテリ父子との共闘を経て、最後にヒューマニズム(エビズム?)の勝利か。

このように読み解くこともできるだろう。
しかし、そんなのはどうでもよい。
とにかくぶっ飛んだ。

まず映像のリアリティーが凄い。
20年間都会の上空に浮かび続ける巨大円盤は夢のようだ。
スラムの生活実感とか、統治組織の実験室。
エビの外見、動きのリアルさ。
戦闘シーンの生な触感。
全てが自然で、日常と非日常が連続的に滑らかに繋がっている。
眩暈がする。

次にアクションの凄まじさ。
やるかやられるかのスリルと勝利のスプラッタ的カタルシス。
多彩な武器。ロボットまで出てくる。

そしてキャラクターの造形もハマっている。
主人公は多弁でハイテンション、かなり危ない人格。
その残虐性が身体と共に変質していく。
エビはその知性と冷静さで徐々に醜悪に見えなくなってくる。
エビの子供はむしろかわいい。

それらをつなぎ合わせるストーリーは、突っ込みどころ満載でありながら、息もつかせずにラストシーンまで連れて行かれる。
続編への余韻も残してある。
走れメロス!

メタファーも哲学もいらない。
この奇妙な世界を共有出来るだけでいい。

ただ個人的には(だから何なのさ)という理性の囁きに惜敗した感じもあり。

My評価:★★★★

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