プレステージ

スマイルBEST プレステージ スタンダード・エディション [DVD]
Happinet(SB)(D) (2009-06-26)
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20世紀初頭のロンドン。
奇術師アンジャーは、公演中、ライバルのボーデンの目の前で溺死する。
その罪を問われ、ボーデンは死刑を宣告される。

発端は二人が若い弟子仲間時代のこと。
アンジャーの助手をしていた妻が水槽脱出に失敗して死亡する。
その原因が妻の手を縛ったボーデンのせいと信じ、そこから壮絶な闘争が始まる。
共に大奇術師としての名声を得てい行く過程で、様々な手を使って相手を妨害していく。
瞬間移動という大マジックのタネをめぐって、それは頂点に達する。
そこに家族や恋人、実在した神秘科学者テスラも絡み、トリックに次ぐトリックが展開される。
最後の最後まで仕掛けが施されている。

鑑賞者は、よく話を整理しながら見ないと、置いて行かれそうになる。
思い返して、ああそういうことだったか、という場面が多々ある。

映画というものを一つの芸術ジャンルと考えると、何も感動したり生き方を啓発されたり生理的快楽を得たり、そういうものばかりではないだろう。
たとえばこの映画。
得るものは何もないと言ってもいい。
感動するわけでもない。
後味もあんまり良くはない。
おそらく、現代への警句などという社会的意味もないだろう。
ネット上にあまりいい評判がないのもそんな理由かもしれない。

ポンと無造作に放り出された醜い人間模様。
それでも、映画という世界は成り立つのだと思った。

当時のロンドンの描き方がリアルだ。
オリバーツイスト時代からの雰囲気をまだ保っているような。
劇場やパブの様子、服装などもきっと、きちんと時代考証されているのだろう。

そして、クモの巣のように張り巡らされたプロットの驚き。

タイトルさえ、一つの謎解きになっている。
「プレステージ」とは、マジックの基本段階のうち、確認、展開に続くさらなる驚き、すなわち「偉業」のこと。

映画で、トリック製作者の老人が説明する。
種も仕掛けもない鳥籠に布をかぶせ(確認)、続いて布ごと叩き潰すと鳥も籠もなくなっている(展開)。
その段階まででは観客は沈黙しているだけだ。

そこで、おもむろに手のうちから鳥を取り出して見せる。
もう一度鳥を見せることで、初めて見る者が喝采をするのだ、と強調する。
それがプレステージ。
(漫才は突っ込みで笑う、というのと同義だ!今気がついた)

すなわち鳥の再生だ。
それは最初の鳥と同じなのか。
同じって一体何だ?
ここに恐ろしい意味が象徴されているのだ。

ミステリー読後のような知的な満足感が得られる。

テスラの装置をどう考えるかという問題はある。
これは、ハリーポッターも潜む世界だと思えば違和感はなくなる。

ああ、ネタばれにならないように書くのは難しい。
僕には手品師の才能はないな。

ミステリーホラーという気持ちで見ればいいかも。

素晴らしくインスパイアされたけれど
完璧とはやはりいえないだろうと言うことで
(偉そうに :oops: )

My評価:★★★★☆

ps
デビット・ボウイも出てるよ

ps2
身近な若者が、この映画を自分の最近のワースト映画と酷評してきた。
上に書いたように、そのキモチ、かなり分かる面もある。

映画ひとつとっても、価値観の違いを認めあえることは貴重だよね。
基本は、みんな違うんですよ。
だから面白い。
そう意識すると、逆に共有できた時の喜びも、深くなるんだと思います。

ちなみに最近の僕の後悔映画一位は「紀元前一万年」です。

きちんと意見を言ってくれてありがと ^^
仕事も、写真も、日々研鑽してクダサイ ^^

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