最高の人生の見つけ方

最高の人生の見つけ方 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ (2009-06-10)
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余命半年と知らされた、大金持ちと自動車整備工の老人が、病室で知り合う。
人生でやり残したことをリストにあげ、それを世界を股に実行し、友情を育む。
最後には家族への愛に気がつき、それぞれの世界に戻っていく。

3行で書くとそんな映画。

たまに思うことがある。ビルゲイツのごとき大金持ちになったら、何をするか。
典型的な金持ちアメリカ人を思い浮べてみた。
ブランド品で着飾り、毎食三ツ星レストランで世界の料理を堪能し、プール付きの豪邸と大都会のペントハウスを所有し、毎晩パーティー三昧、自家用ジェットで世界旅行。
金目当てに集まってくる多彩な人々との交友。芸術家のパトロンとなり、書画骨董を集めまくり、疲れたら田舎の牧場でカウボーイごっこ。飽きたら政治や軍事に走る。歴史に残って銅像が建つ。

僕の想像力ではそんなところか。
いわゆるアメリカンドリーム的な成功譚。
まあ、古今東西、紀伊国屋文左衛門だって似たようなものだけど。

家族に恵まれた知性の整備工モーガン・フリーマンは、社会的な成功の夢を妻や家族のために犠牲にしてきた。
孤独な剛腕大金持ちジャック・ニコルソンは本当の愛情を得られぬまま、人生が終わろうとしている。
その欠落感が棺おけリストとなり、互いにそれを埋めていく作業が描かれている。

映画として実に痛快であり、最後には暖かい友情と家族愛を感じさせて終わっている。

しかし人間像が陳腐というか、人生最後の行為としてはなんだか空しい。
スカイダイビング、ハンティング、カーレース、ピラミッド、ヒマラヤ登山・・・。
どちらかというと整備工の知性が成金趣味に蹂躙されていくようにも見える。友情というより余計なおせっかいに感じる。
このアメリカ的単純さは、本作の監督ロブ・ライナーの「恋人たちの予感」でも感じたっけ。

負け惜しみではなく、金は必要条件だが、全く十分条件なんかではないと感じるのだ。
金を積んでも得られないものは確かにある。

死を前にすると、それまでの人生の積み重ねや、その人の想像力の底が見えてくるのだと思う。
だから、この映画はそういう難しい部分を見ないで、ユーモアいっぱいの冒険と家族への回帰、青い鳥は自分ちにいた、そういう物語として見ればいいのかもしれない。
そう見ると、名優の演技は当然素晴らしいが、ごく普通の映画だった。

My評価:★★★☆☆

当然、数年前に見た「死ぬまでにしたい10のこと」と比較してしまう。
そちらは幼い娘2人と失業中の夫と暮らす23歳の若い女が、余命2か月と宣告された話だ。
転載してみるので、シミジミと見比べててはいかがだろう。

Things to do before I die(死ぬまでにすること)

・Tell my daughters I love them several times a day.
 娘たちに毎日「愛してる」と言う。
・Find Don a new wife who the girls like.
 娘たちの気に入る新しいママを見つける。
・Record birthday messages for the girls for every year until they’re 18.
 娘たちが18歳になるまで毎年贈る誕生日のメッセージを録音する。
・Go to Whalebay Beach together and have a big picnic.
 家族でビーチに行く。
・Smoke and drink as much as I want.
 好きなだけお酒とタバコを楽しむ。
・Say what I’m thinking.
 思っていることを話す。
・Make love with other men to see what it is like.
 夫以外の人とつきあってみる。
・Make someone fall in love with me.
 誰かが私と恋に落ちるよう誘惑する。
・Go and see Dad in jail.
 刑務所にいるパパに会いに行く。
・Get some false nails( and do something with my hair).
 爪とヘアスタイルを変える。

僕はどうしようかな。
なるべく沢山の世界を見たいから、貧乏旅行に出かけて、熱帯の日差しの中で静かに朽ちていきたいかも。

なお、原題は「棺おけリスト」(The Bucket List)という。
英語直訳ではでバケツリスト。
どうしてバケツが棺おけになるのか。

Kick the bucket、バケツを蹴飛ばすという慣用句が、死ぬという意味で使われる。
それは、首吊り自殺をしようとしている人が、自分が乗っかっているバケツを蹴飛ばす状態から。
転じてThe Bucket List=棺おけリストとなったらしい。
ネットで調べていって分かった。
Kick the bucketという表現に受け身は存在しないそうで、確かに他人にバケツを蹴られたくはないわな。

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