花とアリス

花とアリス 特別版 [DVD]
花とアリス 特別版 [DVD]
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アミューズソフトエンタテインメント (2004-10-08)
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岩井俊二はスワロウテイルでファンになった。
日常と異世界の交感が独自の雰囲気を作っていた。映画的な遊びがあり、画面がスマートで、音楽がカッコいい。
この映画もそんな岩井俊二の世界そのものではあった。

花いっぱいの屋敷に住む「花」と母子家庭から逃避する「アリス」という二人の少女。
落ち研の「先輩」男子を軸にした二つの物語。

「先輩」を記憶喪失に仕立てて自分の妄想世界に引きずり込む「花」。
別居の父親、と同居の母親への満たされない愛情に引き裂かれる「アリス」。
虚構と現実の象徴だ。日常と異世界の交錯。

それが破綻しそうなところで、救いの手が差し伸べられる。
物語の始まりとなった「花」と「アリス」の関係が解き明かされる。
そして、それぞれ恋人と仕事という新しい世界に向かって解放される。

そんなお話。

遊びもある。
冒頭に出てきた駅名が「水木」。「白土」方面という表記もあってピンときたり。

本当にたわいのない映画で、そのたわいのなさがいいのかもしれない。
エピソードの積み重ねに終始する構成。きれいな画面。

一番印象に残ったのは音楽だ。全編ゆったりとした甘いピアノが流れ、時々民俗音楽的なフレーズでアクセントをつける。
何とこの音楽も岩井俊二とクレジットされていた。どこまで才能があるんだろう。

しかしドグマ95と対極にあるようなこの音響スタイルは、見る側の情緒を規定されるようで辛い面もある。
1から10まで説明しようとする韓流ドラマのようだ。そういえば岩井俊二は韓国でも人気と聞いたことがある。
「櫻の園」という映画(リメイクじゃない方)を思い出させた。あちらの音楽はモンポウの太田胃散変奏曲だった。

残念だったのは、ラストでアリスにセーラー服のままクラシックバレーを踊らせたこと。
せっかくのバレーが台無しだった。全然美しくない。
そのセンスには結構がっかりした。
僕にとってはこれで映画も台無しになった。

スワロウテイルを超えた映画を作ってほしい。
(「リリイ・シュシュのすべて」はまだ見ていないので期待)

My評価:★★☆☆☆

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